紀州漆器は和歌山県海南市の北西部を中心に生産され、日本の四大漆器産地のひとつに数えられます。
他に会津漆器(福島県)、越前漆器(福井県)、山中漆器(石川県)などがあります。紀州漆器の起源は室町時代ともいわれており、
江戸時代の初期には渋地椀を中心とする産地として知られていました。さらに江戸時代中期には、8代将軍徳川吉宗以降、
将軍家でもあった紀州徳川藩の保護のもと発展の基礎を確立されました。堅地板物の成功や蒔絵による加飾の導入などで、
紀州は漆器の産地としてその地位を不動のものにしました。
昭和53年には通産省から「伝統的工芸品」の指定を受け、和歌山を代表する伝統産業になりました。